プロフィール

こんにちは、はじめまして。

「田舎で育ったゲイのはなし」ブログを運営しているけんけんです。

こちらのページでは僕のこれまでの経歴と一緒に、ブログに込めた想いを紹介しています。

小さな田舎町で育った僕は「ゲイとして生きること」を認めるまでに少し時間が掛かりました。

それは、当時は得られる情報が少なかったし、周りを見渡しても僕と同じような人がいなかったので、自分でもどうしていいか分からなかったからだと思います。

そんな僕の経験を発信することで、おいなりさん(勝手につけた読者さんの愛称)にいろいろな道や可能性があることを知ってもらいたい。

そう想ったことがきっかけでブログを立ち上げました。

とはいっても気軽に読んでもらえたらありがたいです。あったかいお茶とかおいしいお菓子などつまみながら、ゆっくりくつろいでいってください。

目次

「けん子ちゃん」

母いわく、僕は二歳のころからスカートを履きたがったり、草むらにしゃがみ込んでおしっこをしてたらしい。小さい頃の写真をみると、青いスカートから短い足をさらけ出してにっこり笑っている自分がいる。

今でこそ男性の身体を持つことに満足してるけど、昔はとにかく女の子のように振る舞ってて、セーラームーンが大好きやった。(Sが名作)

家族にカミングアウトはしてないけれど、きっとどこかで気づいてるんじゃないかな。

当時を振り返ると、おそらく父と母は僕のことで近所の人や同級生の親からいろいろとおせっかいなことを言われていたと思う。田舎は人の距離が近いし、地元の人たちはお互いのこまかい情報をよく知ってるから。

それでも二人とも僕に何ともなく接してくれてたから、ほんとにありがたい。

三人兄弟の末っ子だった僕は、姉や兄とは絶妙な距離感を取りつつ、それでも「オカマの弟」がきっかけでケンカしたこともあったな。

まあ自分でも変わってたって思うし、僕自身こどもの頃に大人から変な目で見られたこともある。

だからこそ僕の知らないところで嫌な思いをしてたかもしれないのに、表に出さずに過ごしてくれた家族には感謝しかない。

ただ、そんな「けん子ちゃん」も小学校まではキャラとして通ったけど、中学生ともなるとそうはいかなくなった。

思春期へと突入した僕は、AVやエロ漫画を見るときの自分の「視点」が違うことに気づき始めた。

「このままやとやばいんかな」

「何とかしないと」

というわけで僕は高校へ入学すると同時に、これまで連れ添ってきた「けん子ちゃん」を抹殺することにしました。(…急にサスペンス?)

はじめての「俺」

僕は保育園から中学卒業までずっと同じクラスで過ごしてきたので、地元のクラスメート全員の家に遊びにいったことがある。(田舎あるある)

そして高校ではじめて自分を知る人がいない環境になるので「けん子ちゃん」というアイデンティティを消し去り、「男」として再スタートするには絶好のタイミング。

新しい環境、新しいクラスメート、新しい自分。

不安な気持ちがあんませんかったのは、もしかするとどこかで「けん子ちゃん」をやめたいと願ってたんかもな。

しかし、ここでミッションがひとつ。

僕はこれまで自分のことを呼ぶときにどの一人称を使っていいか分からず、どうしても使わないといけない場合はふざけて「うち」とか「わたし」を使ってた。

中学の頃から好きな英語であれば、こういった一人称の問題を気にせずに自分のことを伝えられるのに。

それはさておき、これから新しい自分を構築するためにはまず一人称を変えないと。

そこで新しくできた友達と話すとき、はじめて自分を「俺」と呼んでみることに。

「——オレ?」

…うーん、なんだろう、こっぱずかしい。

けれども人間慣れるもので最初はこそばゆかったこの言葉も、しばらく繰り返しているうちに何ともなくなった。

「この調子でいけば、意外とすんなり『視点』も変わるかも」

そんな期待を抱きながら、高校生活ではひたすら男っぽい仕草や立ち方、歩き方などを日々研究して、なるべく自分に取り入れられるようにしてた。(勉強しろ)

「男っぽさ」の研究で一番役に立つ方法は、ずばり観察。

学校で人気だった男子の走り方や言葉遣い、下校時に見かける他校の生徒のカバンの持ち方などをばれないようこっそり観察させていただく。

基本的に誰とでも隔たりなく話せる性格だったこともあり、気になった男子ともタイミングがあれば普通に話したり遊びに行ったりもしてたから、自分でいうのも変だけど研究はかなり順調だった。

——がしかし、裏目に出ました。

気がつくと研究対象としてた男子の姿がずっと離れなくなり、見かけるとついつい目で追ってしまいそうになる。

「見惚れてしまうのは憧れを抱いているからだ」

「あいつみたいになるのが目標なんだろう」

当時はこんな風に言い訳をしてたけど、今はただ単純に「好きだった」って思える。

認めること

いくら男らしくなろうと試行錯誤しても一向に自分の「視点」は変わらず、AVを見ていても女優さんには目が行かないし、エロ漫画は男性のキャラが出てるページばかりを探してしまう。

そうこうしているうちに高校も卒業し、大学ではいよいよはじめての一人暮らしが始まろうとしていた。

その後のルートを考えると、自然と「就職・結婚・子ども」の文字が頭に浮かぶ。

この頃は男になろうとする特訓を続けながらも、かなり焦っていたと思う。

——僕は大学で二人の女性とお付き合いをしました。

「女性と付き合えば、もしかしたら全てが上手くいくかもしれない」

そう思っていざ付き合う機会を得ても、僕にできるのはせいぜいプラトニックな恋愛感情を演じることのみ。

思い切ってキスをしたり、裸で抱き合うこともあった。

けど全く興奮しない。何度も試したけど、だめだった。

もがいてあれこれ試すほど、相手の女の子を傷つけてしまうだけ。

もっと自分が強くて、早く「本当の自分」を受け入れていれば、二人の女性を傷つけることもなかったと思う。

本当に、ごめんなさい。

——こうして無駄な抵抗を続けてきたけれど、もう認めざるを得なかった。

「結婚できない」
「親に孫を見せれない」
「家族に嘘をつく」
「職場で浮く」
「一人で死ぬ」

ずっと見ないふりをしてきた反動で、「ゲイとして生きる不安」が一気に頭に流れ込んできたのを覚えてる。

僕がはじめて「ゲイであること」を認めたのは、故郷から離れた一人暮らしの小さな部屋、動くとぎしぎし音のする折りたたみ式ベッドの上だった。

何はともあれ、ようやく、自分は男性が好きなんだ、男性しか愛せない、変えたかったけど変えることができない、もう言い訳できない、向き合って生きていくしかないんだと認めることができた。

その時は、家族の顔が浮かんだり、友達の顔が浮かんだりが繰り返して、ただただ泣きました。

海外での経験

大学を卒業したあとしばらくフリーターとしてバイト生活をしてたけど、結局田舎へ帰ることに。

山と海に囲まれた故郷はあいかわらずのんびりしてて、自分だけが変わってしまったみたい。

「これからどうやって生きていくのか」
「何のために生きていくのか」

答えが分からない状態が続いていたある日、こんな思いが浮かんできた。

「いっそのこと海外へ行けば何か新しい生き方が見つかるかもしれない」

もともと英語も好きだったし、それ以外にやってみたいと思えることはなかった。

そこでもう一度英語の勉強をやり直しながら、お金を少しずつ貯める生活を続け、2017年にワーキングホリデービザを取得していざカナダへ。

信号が3つしかない田舎町で育った僕が、まさか大都市トロントで生活をすることになろうとは——。

はじめての海外生活は目まぐるしくも刺激的で、当たり前だけど日本では経験できないことの連続だったな。

他国の異文化を体験できたのもありがたいことだし、何よりも今のパートナーに出会うことができたので、思い切って田舎を飛び出してよかった。

ブログをする理由

海外での生活を経験できたことで、僕の中の「ゲイである自分」に対する考え方も大きく変わったと思う。

カナダから帰国した後は外資企業の東京支社に就職して、東京で出会った友人たちにカミングアウトすることもできた。

彼とも東京でしばらく一緒に暮らして、コロナが起きてからは遠距離だけどお互いに行ったり来たりの生活。

しかし、海外生活を終え、東京で働くこともできた今、僕はまたしても過去の自分と同じような壁にぶつかってます。

「——自分は何がしたいのだろう」

日本を離れて生活しても、英語を使う仕事に就いても、結局この疑問へと戻ってきてしまうのは一体なぜだろう。

ゲイとして生きるしかない——大学のときにようやく自分の中で認めることができた。

けれど僕はこれまで「ゲイとしてできることは何だろう」と考えたことはなかった。

ゲイということは認めるけど、ゲイとしてできることは何もしてこなかった。

「——ゲイとしての自分にできることは何だろう」

そう考えたとき、おそらくそれは田舎町で生まれ育ったゲイとしての経験を、誰かのためにシェアすることだと思った。

なぜなら今もこれからも、どんなに小さな町だろうと性的マイノリティとして生まれて、生きている人が必ずいるから。

自身の経験上、性的マイノリティとして生きるのは田舎だと特に心細く感じるし、理解されない部分もまだまだ多い。

なので僕はそう感じている人にとって、ブログを書くことで寄り添えるのかどうかは分からないけど、少なくとも情報としてそばにいてあげたいと思うのです。

ブログにつづる文字が少しでもいいので力になってほしい。

そんな想いでカタカタカタカタとキーボードを打ってます。

かなり長くなってしまったけど、ここまで読んでくれてありがとう、おいなりさん。

またね。

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